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[もののはなし]

歌こころカレンダー

歌こころカレンダー

歌こころカレンダーをちょっとした壁に掛けるようになってもうすぐ6年目。お店には5度目の入荷です。この良さを知ると、無いとぽっかり心に穴が開くような寂しさがありリピーターさんが本当に多いカレンダー。

ちょっと変わった短冊形の細長いカレンダーは、最近ははよく聞くようになった「二十四節気七十二候」といって1年を24の節気と72の候で表す旧暦に沿った立春のはじまり。「鬼は外!福は内!」の節分(節を分ける)を境に新しい年が始まるのですね(24の節気のひとつで先頭が立春)。
その節気をさらに初候・次候・末候の3つに分け、72のより細やかな季節として表したのが七十二候。


kaneyama02.jpg例えば啓蟄(けいちつ)という節気の初候は「蟄虫(ちっちゅう)戸を啓(ひら)く」。戸を閉ざし穴に隠れていた虫たちが春の気配にその戸を開き始める、そんな季節を表しています。

その次の次候は「桃始めて笑う」。桃の花が咲き始めますよ、ということ。

そして続く末候は「菜虫蝶と化す」、蝶が舞う季節です。


どれをとっても特別なことではなく、誰もの身近にある風景。いくら大都会だとしても、植木の中や石の下に虫は隠れています。桃だって咲くし、ちょうちょだって飛んでいます。そのことを心に留めるのかまったく気付かないでいるのかによって季節の感じ方はずいぶん違うもの。

もちろん、季節を感じなくても暮らしに支障はないけれど、道端に咲く花や旬の食べ物、風や雨を身近に思うだけで感性に潤いが与えられ、物事が違った見え方をしてきます。

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カレンダーの最後に続くのは詩人白井明大さんの、季節と人を結ぶあたたかな言葉。歌こころカレンダーって本当にちょうどいい名前です。暦だけでもない、歌だけでもない。どちらもあって、そこにこころが通う。まずは1年、このカレンダーと共に過ごしてみてください。

2月4日の立春はじまり。自然を愛するあの方に、忙しそうなあの人に。贈り物としてもどうぞ。


白井商店 歌こころカレンダー2017