jokogumo note

[もののはなし]

大沼養蜂さんとミツバチのはなし

大沼養蜂さんとミツバチのはなし

jokogumoとは2010年からのお付き合いになる山形の大沼養蜂さん。可愛らしいパッケージとバリエーション豊かなラインナップが魅力の蜂蜜は毎年楽しみにして下さる方も多く、店でもすっかり定番になりました。

そんな大沼さんから、実はこんな連絡がありました。
「小池さん、なんとか力を貸してほしいんだ。はちがいなくなってしまってよぉ。」

もう何年も前から、みつばちが巣箱に戻らず数が減って困っている話は伺っていたのですが、いよいよそれがもうどうにもならない事態になってしまったのだそう。原因はおそらくネオニコチノイド系農薬。それがミツバチに与える影響は以前から問題になっていますよね。海外などでは規制が進んでいますが残念ながら日本はまだ。

「養蜂は蜂がいなくなったからって勝手にやめるわけにいかねぇんです。農家さんがみんな困るからよぉ。なんとかまた蜂を増やして続けねばならねぇんだ。」

ただ、もうそれは一養蜂家が抱えるにはあまりに負担が大きく、大沼さんは思い切ってクラウドファンディングによるプロジェクトを立ち上げることにしました。

【ミツバチを守り、繁殖させることで、果樹王国山形を支えたい!】

ミツバチがいないとはちみつが採れないのはもちろんなのですが、それよりももっと深刻なのは植物の受粉が進まないこと。果物や野菜を食べるときに、ミツバチのことや花の受粉のことまで想像するのはなかなか難しいことですが、小学生の理科で習ったとおり、雌しべに花粉が付かないと実はなりません。

人の手でひとつひとつ受粉するのは大変だけど、それを助けてくれるのがミツバチであり、世界の農作物の30%はミツバチがその受粉を担っているとも言われています。そのミツバチを育て農家さんに貸し出す養蜂家の役割がいかに大切かもわかります。

山形といえばさくらんぼにりんご、洋ナシにブルーベリー。たくさんの特産果物が思い浮かびます。それから大沼養蜂の蜂蜜には「スイカ」なんてちょっと珍しいものもありますが、これも大きなスイカ畑があってこそ。大沼さんには養蜂を続けてもらいたいし、美味しい農産物もなくてはならないもの。農薬もミツバチも果物も野菜も、とにかくすべてつながっていて、私たちと無関係な物事などひとつもないのですよね。

※ちなみにネオニコチノイド系農薬は稲につくカメムシを駆除するためのもの。カメムシは籾からデンプンを吸うのだけど、吸われたらお米に黒い部分が出来てしまう→見た目が悪い→商品価値が下がる→価値を下げたくないので農薬を使うという流れ。見た目で判断する消費者の要望が根底にあることを私たちは知っておく必要があると思う。

そのことへの意思表示は手間暇かけて減農薬や無農薬での農作物の栽培をしている農家さんのものを選ぶことであり、そういったものを扱うお店で商品を購入することでもある。どのような暮らしをしたいのか、どんな世界になってほしいのか。毎日が投票です。


大沼さんのクラウドファンディングは100万円が目標金額!期間内に目標に到達しなければ不成立となり1円にもならないシステムです。3,000円などの少額参加も可能なので、少しでも多くの人でこの困難を負担し合い、何とか到達できればいいなぁと願うばかり。

そしてそれぞれに物事のつながりについて改めて考えるきっかけになりますように。そして毎年、美味しいはちみつが変わらず届きますように。

支援はこちらから!
【ミツバチを守り、繁殖させることで、果樹王国山形を支えたい!】