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[子育て]

息子が山村留学したはなし⑫

息子が山村留学したはなし⑫

5年生の息子の3学期もあと数日でおしまい。ってことは、1年間の山村留学ももうすぐ終了です。
親にとってはあっという間ですが、息子にとってはどんな1年だっただろう。
1年に対する人生の分母が全然違うことはさておき、長かったのかな、短かったのかな。

新しい仲間との暮らし、新しい学校の友達。
新しいことだらけで慣れるのに必死だった1学期。
やっと帰ってきて、家や家族のありがたみを感じた夏休み。

「やっぱり家っていいな~」って、ニコニコとくつろいでましたっけ。
なかなか小学生でそんなふうにしみじみ実感って出来ないですよね。

そのあとの2学期は、夏休みに家の良さを実感したことと、留学先での生活にも慣れ、余裕が出てきたこともあってか、特別な寂しさもあったんじゃないかと思います。参観日だったか、何かの行事で訪ねてしばらく共に過ごしたあと、親が東京に戻るタイミングで見せた息子の複雑な表情に、ぐっと涙をこらえたのを思い出します。

「いろいろ気持ちに余裕が出てきたってことだよ。成長してるってことだね!」って、肩をさすって。明るく「じゃあまたね!」って車を出したとき、息子は軽く手を振りそのまま反対方向へ走って行きました。

がんばれー!って、その背中をミラー越しに見ながらアクセルを踏むってドラマのワンシーンみたいですが、思い出すと心がキュッとするなぁ。人生はドラマだよ。それもまた思い出。

訪ねていった親が帰っていくときの子供たちの様子はそれぞれで、べったりと抱きついて寂しがる子、敷地を出るところまで車を追いかけて手を振っている子、友達と遊びながら素っ気なく手を振る子。みんなそれぞれに自分の寂しさと折り合いをつけているのだと思います。

でも、寂しさのあとにはもちろん、どんな日も寝食を共にする仲間がいる。同じ体験、同じ時間を積み重ね、お互いの存在に癒したり癒されたり、ときに衝突もしながら、心を強く鍛えてきたのだと思う。

残りがわずかになって、家に帰る喜びや楽しみの反対側に仲間と離れる寂しさも感じていることでしょう。
そんな仲間と出会えたことはきっと、この先も特別で大切な思い出。大変なときも、心の支えになってくれるといいな。

毎朝1時間を掛けて歩いて通学した道にも、どんなに多くの思い出と季節の風景が詰まっているだろう。花を摘み、草を笛にして、落ち葉で遊び、霜柱をザクザクと踏んで。自然が大好きな息子が、一年の季節の移ろいを、同じように自然好きな子どもたちと体感してこれた1年を思うだけで嬉しくなります。

修了式の日は寮に迎えにいったら、それぞれの子供たちによる1年の発表があるそうです。
去年の4月から比べると、随分と成長している姿が見られそうでとても楽しみだけど、留学生のママ仲間とは「やばい、もう泣く!」と励まし合っています。
そうそう、日本のいろいろな場所の家族と出会えたのも本当に素敵なことでした。




店のブログなのにこうして「息子が山村留学したはなし」を記録として残してきましたが、⑫が最後かな。

「息子くん元気?」「夏休みだね」「もうすぐ帰ってくるね」と、心に留め、気に掛けてくれたり、「読んでますよ!」と声を掛けて下さったり、こんなわが家のはなしにお付き合いくださったみなさまにも感謝、です。ありがとうございます。

もしかしたらしつこくもう一回くらい振り返るかも(笑)ですが、終わりを目の前にした心境も、今だけのものですね。