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[イベント]

故きを温ねて新しきを「着る」展

故きを温ねて新しきを「着る」展

故きを温ね新しきを『着る』

土脈の次の展示は、日本の風土、暮らしに寄り添ってきた服や布をそれぞれの解釈で、今また新しいものとして提案している3つのブランドをメインにご紹介するものです。

まずは現代風MONPEでおなじみ、久留米絣をはじめとする産地の布を使い様々な提案・また提起をしてきた、地域文化商社うなぎの寝床。もんぺのバリエーションはどこまでも増え...どうやって選ぶんだ!という嬉しい悩みがつきものですが、久留米絣だけじゃなく、他の産地のことも同じように自分ごとにしていくというそのスタンスには、共感者も多いのではないでしょうか。とはいえ、まずは楽しく選んで履く!
定番以外のもんぺ、新しく加わったリネン素材のものもたくさん届きます。

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過去に開催した「もんぺ展」より。
みなさんそれぞれの着こなしで見ているだけで楽しくなります。久留米絣の面白さも感じていただけると思います。


そして、豊富な水量を持つ地の利を活かしてきた近江の布づくりのネットワークを繋ぎつつ、さらりと気持ちのよい高島ちぢみをどなたにも使いやすい定番として提案するshibo。細部にまでこだわり、使い手はもちろん、モノづくりに関わる全ての人にとって心地よいシャツを自らの手で制作する、COMMUNEの久米さんが作ったもうひとつのブランドです。地元滋賀に点在する、織りや染め、縫製の工場を気軽に行き来し、みんなが楽しく、またやりがいのある仕事として関われるように。ゆったりとしたつくりの服なので年齢や体型を限定せず、コーディネートやセットアップのしやすいラインナップです。

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表面に細かな凹凸のある「ちぢみ」の布は肌にぴたっと張り付かず涼しく着られ、日本の夏にはぴったり。


また、東北の野良着、サッパカマの機能性、先人が工夫を重ねたどり着いたカタチを受け継ぎさらにアップデート。次世代に繋ぐ、京屋染物店のSAPPAKAMAも並びます。色やサイズを揃えて試着できる場所もまだ珍しいのではないでしょうか。

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京屋染物店は岩手県一関にある、デザインから染め、縫製までを一貫して行える染工場。江戸時代から100年続く老舗ですが、ただ歴史があるだけでなく、アップデートを続けているところ、郷土愛と先人へのリスペクトを持ち自分たちの形で発信をしているところは本当に素敵だなと思います。

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これらのブランドに共通するのは、その生地やかたちを「古いけど新しいもの」として受け取り、再解釈。時代に合ったスタイルで提案していることです。これまで受け継がれてきたものづくりや伝統を、これまでのように受け継ぐことが難しくなってきた時代。私たちは何を残し、何を受け入れていくのか。新たなブランドを立ち上げ、ものづくりに関わっていく人はもちろんですが、何かが続いていくには作る人を取り囲む大きな輪が必要です。

よりよい社会のための、歯車になる。
あまりいい意味では聞くことのなかった「歯車」という言葉を、よい意味で受け止め、自分ごととして物事を考えるきっかけにしてくれたのは、2018年に開催した漆のイベントにゲストとしてお越しくださった野鍛冶の中畑文利さん。世の中にはそれぞれに役割があり、それらがうまく嚙み合ってこそよいものが生まれ、続く。大きな歯車を楽しく動かしていくイメージで、よりよいものづくりや世の中に関わっていきたいものです。


故きを温ね新しきを『着る』

各地で受け継がれてきたものを知り、またそれを私たちが今の暮らしに生かすひとつのきっかけとなりますように。

ずらりと並び、たくさんご試着いただける機会です。また産地のことを知る映像なども用意する予定です。

神楽坂のギャラリースペースの1F/2Fを合わせて使うという、ずいぶんと頑張った内容です。1人でも多くの方にお越しいただけますように。是非是非お誘い合わせ、お運びください。

故きを温ね新しきを『着る』展

2023.5.19金-24水
12:00-18:30
※最終日は16:00まで

場所 神楽坂フラスコ+土脈
新宿区神楽坂6-16 1F/2F

企画 くらしの知恵と道具jokogumo