息子が山村留学したはなし②

つづき。
息子が山村留学したはなし①はこちらより
子どもの頃、絵を描くことが好きでした。
幼児の頃から好きだったし、小学生になってもずっと好きだった。
絵を描いているときは時間を忘れ、親に声を掛けられても聴こえないくらい。
アゲハの幼虫やアリの巣を、1時間でも2時間でも見ていられる息子は、まさにその頃の自分と同じ。
楽しくて面白くて、つい時間を忘れるほどなんだな。
そういうものがあるって、やっぱりいいなぁと思う。
実際に没頭できる時間はほんとうに楽しかった。
夢中って、こういうことなんだなっていうか。
大人になるにつれ、だんだんとその時間はなくなってくるのだけれど、それがただの思い出になってしまったとしてもやっぱり尚、夢中になった時間というのは大切なものなんじゃないかとも思います。
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ある日、例のごとく田舎に住みたい発言をする息子に、
「田舎に住んで、そこの小学校に通うことも出来るんだよ」と、なんとなく知っていた山村留学のことを伝えてみました。
すると、「えっ!そうなの?」「行ってみたい!行きたい!」と、なんとも迷いのないポジティブな返事が速攻で返ってくるではないですか。目をキラキラさせて、とにかく嬉しそう。こっちが「えっ?そうなの?」と逆に聞きたいくらい。だったのですが...
それもそのはず、母も一緒に行くと思っていた(笑)。それはそれで楽しそうだけど。
でも、「いや、ひとりで行くんだよ。」というまさかのカウンターに「え...」と一瞬面くらいながらも、少し考えて「うーん!それでも、行ってみたいかな!」というのが彼の答えでした。
えー!!!そうなんだ。少しずつ芽生えていた息子の自立心。やってみたいという好奇心。それはもう、全力で応援します!こうして我が家の選択肢に、山村留学制度は加わったのでした。
本格的に調べてみると全国58の市町村の山や海にその受け入れ先があるんですよ。
島だと釣りや魚を捌くのが上手になりそうだな。
山だとキノコとか山菜に詳しくなるんじゃないか。
想像を膨らませつつ、それぞれの紹介サイトを見ていると、とにかく子供たちが楽しそう。田植えをしたり、ニワトリやヤギの世話をしたり、キャンプに川遊び、毎日が宿泊研修みたいなもの。これはたくましくなるぞー、と期待は高まるのでした。