息子が山村留学したはなし③

5年生の1年間を田舎の学校で過ごす。と決めた息子、とその親。
わが家はまず、親が全国さまざまある山村留学のことを調べ、いくつかピックアップしたものを子が選ぶことにしました。とはいえ、選んだからといって必ずそこに行けるわけではなく、志望動機などを親と子がそれぞれに書いた書類の提出を経て、体験留学(1泊2日)。体験留学ののち、本申込み(体験留学はしたけど、やっぱりやめる、という子もいると思う)、面接、そして結果発表の書類が届く。というスケジュール。
結果、無事実際に留学に至ったわけですが、こういうことは初めてだったのもあり、親の方はものすごーくプレッシャーで、これはひとついい経験になりました。まず、自分の子のことを客観的に他人に文章で説明する。というのにとても時間が掛かった。
何かのことを文章で説明する、というのは仕事柄慣れてはいるものの、商品ではなく「我が子」であることが難しい!いや、我が子のことをいいところもよくないところも含めて『正しく』説明し、よい結果につながることを前提として書かなくてはならない。あ、でもそれだと商品も同じか(笑)
ただ、商品はいつか誰か心に響く人がいてくれればそれでよいとして、留学は同じタイミングで申込む人の中から必ず選ばれる必要がある。もしかすると親が書くことなんてただの参考程度かもしれないし、実際そうだと思う。に、し・て・も!
やっぱり相当なプレッシャーがありました。幼稚園や小学校の入学試験の親ってこんな感じなのかな。お察しします。
あとは面接。
実は私、小学生のとき、児童会長として全校児童や全保護者の前でひとりで挨拶とかしていたのですが、何十年前の話やねん!て自分でも思う。
口下手!
とっさに出てこない!
緊張しているなりに、息子の方がうまくやっていたように思いました。
あのときあぁ言えばよかった。こんなふうに言えばよかった。あれは語弊があったかもしれない、付け加えたい。自分のせいで息子の芽を摘んでしまったかもしれない...と、終わってからもそんなことばかり考えてしまい、2、3日は食欲が失せました。
「お母さん、うまく説明できなかったかもしれない。もしダメだったらごめんね...」
そう息子にも謝っておいたけど、当の本人は「まぁまぁ、ダメなら別に、今の友達とまた5年生も過ごせるし!そんなこと気にしないでよ。」と、おおらかだったのが本当に救いだった。
その前向きさ、煎じて飲めないかな。
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